都市計画の世界史 | 日端康雄著
1 | 城壁の都市
中世ヨーロッパの都市
中世とは?
伝統的な西洋史の時代区分における中世は、一般に5世紀から15世紀、歴史的大事件で捉えるならば西ローマ帝国滅亡(476年)のあたりから東ローマ帝国滅亡(1453年)のあたりとされ、ルネサンスから宗教改革以降を近世とする。
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- 4世紀末、ローマ帝国が分裂
- ヨーロッパでの経済社会が混乱
- 通商が衰える
- 都市の規模が縮小
- 都市市民は農奴に戻り、農耕生活へ
- 封建領主たちの間に戦争が頻発
- 修道院が被圧迫民の避難所になる
被圧迫民族とは?
国家の内部において,身体的,民族的,文化的特質のために独自の集団を形成し,特に差別的な待遇を受けている民族をさす。被抑圧民族ともいう。一般的にはその国家における小数民族のことが多いが,ヨーロッパなどでは複数の国家にまたがって分布している民族も多く,その取扱いをめぐって,国内のみならず国家間の緊張を生じることも多い。
コトバンク
- 教会の地位が強化される
- 弩級(石弓)の発明、武器の改良が進む
- 敵から身を守るための頑丈な城壁
- 軍事防衛のため、都市は丘の頂上や島などに作られる
- 農村地帯での生活が危険になり、人々が都市へ移り住む
- 11世紀、都市の商業活動が復活
- 商人、職人は『ギルド』を形成
- 社会経済上の地位が上がる
ギルドとは?
中世より近世にかけて西欧諸都市において商工業者の間で結成された各種の職業別組合。
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11〜12世紀の中世ヨーロッパに、急速に多数の都市が生まれる(都市化の波)
初期の中世都市
- 教会、修道院、領主の館
- 広場は市場
- 人民に人権
- 商人と職人ギルドの確立
- タウン・ホール(公会堂)、ギルドホール(会議所)が市場広場の周りに建築される
大学の建設
- 12世紀、ボローニャ大学(イタリア)、パリ大学(フランス)
- 13世紀、ケンブリッジ大学(イギリス)、サラマンカ大学(スペイン)
中世都市では宮殿よりも、教会、修道院が目立つ
ルネッサンスの理想都市
- 中世ヨーロッパの都市は内部が成長
- 人口が少ないときは空き地がある
- 人口が増加するに伴い、空き地は建物で埋め尽くされる
- 上下水道が未整備
- 過密と不衛生、疫病の発生
ルネサンスとは?
「再生」「復活」を意味するフランス語であり、一義的には、古典古代(ギリシア、ローマ)の文化を復興しようとする文化運動である。14世紀にイタリアで始まり、やがて西欧各国に広まった(文化運動としてのルネサンス)。また、これらの時代(14世紀 – 16世紀)を指すこともある(時代区分としてのルネサンス)。
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- ヴィトルヴィウスが古代ローマ、アウグストゥス帝の時代に書いたとされる『建築書』の発見
- 14〜15世紀にかけて再評価される
建築書
- 都市の立地は高い場所を選び、気候条件が良いこと
- 都市の市民を養うのに十分な農産物を確保できる農村が、周囲にあること
- 道路建設と河川の利用による交通の便
- これらの条件を満たす土地を城壁で囲み、塔で補強する
- 城壁はどこからでも敵を見渡せるよう、円形
- 都市内に道路を通す
- 神殿と広場は沿岸では港の近く、内陸では街の中心にする
- 広場では人々が交流し、くつろぐことができた
- 城壁に囲われることで人々に『地域性』の感覚が植え付けられた